戦略を提案していきたい
これが未来の戦略です

戦略って、ほんとうによく使われる言葉だけど、
そもそも戦略って何?ということを理解しているひとがどれだけいるのか、結構疑問なのです。

私が、某学校のビジネスの講座で教えたとき、戦略と戦術の違いがわかる人?ときいて、的確に説明できたひとはひとりもいませんでした。 

たいがいの生徒が

・戦略は大きい話をきめること、戦術は小さいはなし
・戦略は全体の方向性をきめること、戦術は個々の方向性をきめること

といっていました。
全体の方向性ってなんでしょう。

「ビジョンと戦略はどこがちがうのですか?」とつっこむと、
これには全生徒がお手上げ。

まったくもってイメージでしか話してないというのがわかります。

・環境立国として世界のリーダーになる
・福祉立国になる。安心して暮らせる日本を実現する。

これは戦略でもなんでもありません。

端的にいいますと、戦略とは、

「限りあるリソースのなかで、何を捨てて、何に集中するか、トレードオフを決めることである」

といえます。

環境立国として世界のリーダーになるには、トレードオフはありません。こういうのは、ビジョンだったり、スローガンです。

環境分野に金を投資するには、何かを削らなければいけません。その優先順位付けを行うのが戦略です。トレードオフがなければ、戦略ではないのです。優先順位づけの考えかたと優先順位づけられた施策のセットが戦略を構成します。

また、国家や、全社レベルのような大きな話でなくても、個々の事業や、オペレーションにも戦略はあります。
例えば顧客サービスで何処を厚くするかわりに何処を削るといった議論も全社レベルの話ではありませんが、「戦略」的な議論です。

戦略とは、Focus & Deepです。
集中と選択です。

リソースを集中し、重要なものに力をいれ、そうでないものは手薄くする。それが戦略の本質です。

もちろん全部がぜんぶ重点おいてできれば越したことがありません。
でも現実にはリソースが限られています。
リソースとは、金、時間、人、すべての要因があります。

リソースが無限大ならば、全部をすべて総花的にやればいいのです。実をいうと、リソースが無限大ならば、戦略はいりません。
無限に金があれば、ぜんぶやればいいのです。

しかし、現実にはリソースの制約があります。だからFocus & Deepをする、戦略が必要なのです。

リソースの制約と戦略は実はセットです。

これがわかってない人が多い。
リソースに制限があるのにもかかわらず、Focus & Deepができず、全方位的に重要なことをあげるだけを「戦略」とよんでいるひと。
たんにビジョンをあげて、それを戦略と読んでいる人。

すべて、リソースの制約があることが、頭からぬけてしまっています。
リソースの制約があれば、Focus & Deepせざる得ない。だから戦略が必要になってくるのです。

もともと戦略とは戦争の言葉ですよね。
兵力は限りあります。補給(食料・弾薬・燃料)も限りあります。戦う気力(士気)にも限りあります。
それを、どのように配分して、Focusするのか。勝つために、何処を攻めていくのかそれが戦略です。
無限の戦力があれば、漫然とただ相手を攻撃すればいいだけです。でも現実には戦略が必要です。
 
日本人が戦略を立てるのが苦手なのは、リソースの制約という意識が希薄だからだとおます。もしくは、リソースの制約は努力と精神で克服できると思っているからです。

精神が高く、努力すればリソースの制約を乗り越え、無限大のパワーが手に入るというような、神がかりのイメージがあるような気がします。だからFocus & Deepができない。Focus & Deepでトレードオフをするよりも、精神パワーで全部やってしまったほうがいい。
そんな感じでしょうか。

しかし、その考えかたが破綻するのは、先般の戦争の敗戦で証明済みです。そしてまた、同じ間違いを繰り返そうとしています。

つまり、今の日本は、無限に成長する経済を前提し、全ての制度が設計されていました。 つまり、リソースの制限は「経済は将来にわたって右肩上がり」ということで考えなくてよかったのです。
そして、経済が行き詰ると、リソースには制限がでてきます。
そうすると、もう立ち行かなくなる。Focus & Deepができないので、全部が破綻してしまいます。いまは破綻の道をまっしぐらの気がします。